奈央と出会えたから。<156>

麻呂  2008-05-27投稿
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* * * * * *

キキキキィー―‐ッ


タイヤが擦れた匂いがした―\r



あたしの目の前では今、ドリフトが行われている。



辺りは多種多様な車と、ギャラリーで埋め尽くされている。


ギャラリーの中には、あたしよりは年上だと思うけど、



どう見てもまだ高校生位にしか見えない女の子が、



お気に入りの車の持ち主と意気投合して、キャーキャーはしゃいでいた。





『どう?!奈央。初めて見るドリフトは。』



あたしの隣に立つ聖人が言った。



『うん。凄いなって‥‥‥。』



『ハハハ。凄い?!凄いって何が?!』


『うん。何て言っていいか分からないけど‥あたしの知らない世界を見れた感動‥‥かな。』



『そっか。良かった。』





キキキキィーーーッ

キキキキキィーー‐ッ



一台‥‥また一台と、次々とあたし達ギャラリーの目の前、ギリギリの所まで、


ドリフト走行で迫って来る車の迫力に、


あたしは胸を躍らせた―\r





『奈央ちゃ―――ん!!』



少し離れた所からサトル君の声がした。


『おぅ、サトル。どうした?!』



聖人が、あたしより先に返事をする。



『新谷先輩と大沢先輩が二人の様子見て来いって言うからさ。』



サトル君は、息を切らせて走って来た。


『サトル、先輩達何処にいんの?!』



『新谷先輩は、車の中で寝てたけど、たった今起きた。

大沢先輩は、ギャラリーの女のコをナンパしてる。』



『ね‥‥寝て☆‥‥はぁ?!マジで?!』





サトル君が、ドリフトギャラリーにいたあたしと聖人を呼びに来てくれたから、


あたし達は一度、先輩達の所へ戻る事にした。



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