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『聖人、奈央ちゃんにゼロヨンは、見せてやったのか?!』
新谷先輩が車の中で寝てたというのは本当っぽいな。
せっかくキレイにセットされた髪が少し乱れてる。
『今日は、ゼロヨンギャラリーにまだ行ってないんですよね。』
聖人が言った。
『大沢は何処行った?!まだナンパしてんのかアイツ。
よしっ、決めた!!
今日はアイツにゼロヨンやらせる!!』
新谷先輩は、少し苛立ち気味にそう言うと、
大沢先輩の携帯に電話した。
『大沢!!早く来い!!ゼロヨンやるぜ!!俺と久々の勝負だ!!』
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あたし達は、これから新谷先輩と大沢先輩が勝負するゼロヨンギャラリーへ向かった。
『奈央。新谷先輩と大沢先輩の勝負。見ものだぜ!!』
『うん。でも、なんか凄い強引に話を進めちゃって、大沢先輩かわいそう。』
『んなコトねぇよ。だって元々この二人は、走る為だけにしか此処へ来なかったんだから。
最近だぜ。大沢先輩が女のコをナンパしてるのを見掛ける様になったのは。』
『へぇ。そうだったんだ。』
聖人曰わく、新谷先輩と大沢先輩は、この辺じゃ知らない人がいない程、
走り屋の間では有名人らしいから、
新谷先輩のスープラと、大沢先輩のGT-Rの登場に、ギャラリーが沸いた。
サービス精神旺盛な二人は、多彩なパフォーマンスで、
ギャラリーを更に沸かせる―\r