死体処理少女・八

黄粉  2008-05-28投稿
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「私は、両親から暴力を受けていました。この傷も。」

橋本は掌を見せた。

カッターで切ったかのような、深い切り傷があった。

「それ・・・、親に?」

ひどい、ひど過ぎる。虐待だ。

「だけど、次の日には、両親は私に暴力を振るったことを謝っていました。」

下を向きながら、橋本は言った。

「たまたま二人とも、精神が不安定で・・・無意識に私でストレスを解消していたらしいです。」

裕也は、もう彼女にかける言葉がなかった。

「・・・次の日、両親だけで心中していました・・・。私が可哀相だからって・・・・私が学校から帰ってきたら・・・二人とも死んでて・・・。」

橋本は泣いていた。

「私なんかがいたから・・・、二人とも死んだんだ・・・・・。」

裕也は、橋本がだんだん可哀相になってきた。

「だから私が殺したと同じでしょ!」

「違う!」

そう言って、裕也は橋本を抱きしめた。

「橋本のせいじゃないよ・・・!」



裕也の声は涙声になっていた。


「自分を責めるな・・・!お前は・・・殺してないよ・・・!」

裕也は、精一杯の言葉で橋本を励ました。










落ち着いたのか、橋本は口を開いた。





「私、両親の死体、まだアパートの部屋に置いてあるんです・・・。離れるなんて悲しいじゃないですか?」

「え・・・?」

裕也は退こうとした。

「だから、先輩も一緒にいてくれませんか?」


「は、橋・・・本・・・!?」

橋本が恐ろしい。

こいつはやっぱりおかしい!!





逃げろ!!






そうしようと思ったが、もう裕也の腹は、赤く染まっていた。

「ひっかかったぁ・・・。」

そして、裕也の腹に突き立てたカッターナイフを、思いきり縦にひいた。

裕也は、自分の腹から、腸やら、胃がこぼれ落ちるのが分かった。

「私が先輩の死体、処理してあげますからね。」






アパートの庭に、埋めてあげる・・・。




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