「蓮!」
「何?」
「寂しい時は、オレの部屋、いつでも空いてるからな!」
「・・・優しいね、お兄ちゃん。」
「妹には優しくしないとな!妹叩くとか(おかわりしたのに残すとか)ありえねぇからな!」
「・・・なんかどっかで聞いた事あるけど、ま、いーや。ありがと。」
「ヘヘヘッ!」
寂しくてお兄ちゃんの部屋に行くよりか、
お兄ちゃんが寂しがって、私の部屋に来ることの方が多いと思うけど。
怖がりなクセに稲川淳二見るかっつーの普通。
あれ、あり得ないくらい怖いからね・・。
「暖かいな〜♪そだ!蓮、散歩いかね?」
「散歩か〜・・いい「おい蓮。」ん?」
「パソコン、空いたぞ。」
お父さんだ。・・・・パソコン・・・空いた!!??
「オラアァァァアーーーーーー!!!!!」
ダ〜〜〜ッシュ。あぁもう私女じゃないわ。
“ドスンッ” パキッ・・・
勢いよく回転式の椅子に腰を下ろす。
そして、ポケットに手を突っ込み、くしゃくしゃになった暗号のシワを
見やすくするために、少し強めに撫でる。
「蓮〜?どーした?」
「お兄ちゃん!暗号解ける瞬間がキタよ!」
「・・・暗号?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・暗号。・・・・・・
暗号・・・・・・・・・あっ!!!暗号!!」
「おせーよ。もうウィンドウズ開いたし、解読しちゃったよ。」
「どーやって!?どーやったんだっ!?」
「え〜っとね。まずパソコンのキーボードをローマ字入力にすんの。
それで、この『っびvzbdwgqvs 9¥dh 』を打ってみる。」
カタカタと、まだ慣れないパソコンのキーボードを打っていく。
やっぱり。これが正解だ。間違いない。
お兄ちゃんは、パソコンの画面ばっかりを見ている。
私はこの私の手元を見てほしいんだけどな・・・。(説明めんどい
「で、これがどうした?」
「ふ〜・・・今度はもう1回ゆっくり打つから、私の指を見てて。」
「分かった。」
「あっ。違う。このキーボードを見てて。」
「?分かった。」
指見てって言ったら絶対、『見たゾ』で終わっちゃうから。
あーよかった。気付いて。
もう1度ゆ〜っくり、キーボードを打つ。
よかった、今度は私の指を追いつつも、キーボードも見てる。
しかも、顔が明るくなってきてる。
〜続〜