『“毛無し”行くって‥今、ゼロヨン対決したばっかじゃん。先輩ら、すげぇ気合い入ってんな。』
カチ――
聖人が煙草に火を点ける―\r
『でもよ、聖人。車もいいけど、俺らはやっぱりバイクだよな。』
カチ――
そう言って、サトル君も煙草に火を点けた―\r
『俺達は此処、〇港へ来る時は、何時もバイクだからな。
サトルのCBと、俺のXJRのゼロヨン対決な。』
聖人とサトル君の今の話から、
あたしは聖人とサトル君が、此処でバイクでゼロヨン対決をしているという事を知った。
『あたしも見たいな‥‥。聖人とサトル君のバイクでのゼロヨン対決。』
思わず言っちゃった。
『だぁ〜〜めっ!!奈央が夜遊びすんのは今日だけだよぉ〜〜っだ!!』
聖人が少しおどけて言った。
『聖人のケチ‥‥。』
少し小声で呟くあたし。
『ぶぁっははははは。聖人。お前それ誰のキャラよ???』
サトル君が涙目になりながら、かなり受けている。
『これ?!ん〜‥‥俺のキャラ。』
次の瞬間、あたしとサトル君は、二人で顔を見合わせた。
そして一緒に、
『さむ〜〜〜っっ!!』
‥ってハモっちゃったよ。
『おっと、こんな事してられない!!
新谷先輩と大沢先輩が待ってるって!!
聖人、奈央ちゃん、早く行くよ!!』
サトル君の一声で、
『おっしゃ!!行くぞ!!奈央!!』
『うんっっ!!』
あたし達にもエンジンがかかる―\r
『今度は“毛無し”。ドリフト走行、たっぷりと見せてもらおうぜ?!
なっ奈央!!』