もの凄い形相で俺を睨んだその首はスーッと空中を移動して俺の目の前まできた。
「早く気絶して、この場をやりすごしたい!!」とか「誰か気付いてくれ!!」など色々考えてる内にその首が俺の胸に首を置いた。
下から俺を見上げて「クククク」と笑っている。
やがてその首はドーン、ドーンと俺の胸を意気よい良く弾みだした。
物凄く気持ち悪かったが、金縛り状態になっている俺にはどうすることも出来なかった。
だがそこに階段の下からお父さんが「オイッ!!夜中やぞ!ドン、ドンウルサイわっ」と怒っている。
俺はお父さんが起きている事に安心した。
だが不気味な首はまだ止めようとしない。
それに対して自分の言っていることに無視されていると感じたお父さんはズカズカと階段を上がって来る。
俺の部屋につきかけた途端、金縛りとその首はスーッと消えて行った。
「何や今の?」
とお父さんが聞いてきた。