私は愛されたことがない。今までも、これからも、ずっと…
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私が幼い頃、両親は離婚した。父親はいつも仕事が一番で家庭を顧みない人だった。母親は男癖が悪く、毎日深夜まで遊びまわっていた…
そんな二人が、どうして私にこんな名前を付けたんだろう…
私の名前は“愛”と書いて“メグミ”と読む。私にはふさわしくない名前だと思う…
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私はしばらく母親と暮らしていたが、母親は私を親戚の家にあずけ、自分は男とどこか遠くへ行ってしまった。小学二年だった私にもそれは“捨てられた”という意味だとすぐにわかった。
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「メグミ!早く掃除、洗濯しなさい!!…まったく、こっちは自分の娘でもない子にタダで飯食わせてやってんだから…それくらいのことはしてもらわないと。」
私は親戚から見放されて育った。だから私は高校に入ってすぐ非行にはしった。
髪は金色、少しメッシュも入れて。ピアスは左耳に五個、右耳に三個、ヘソに一個、鼻に一個。化粧も濃く、アイラインをばっちり入れてマスカラをたっぷり…
まさに不良少女だった。
そんな格好で深夜の街を出歩けば、ガラの悪い奴等にも声をかけられる。
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「ねぇねぇ、お前さぁ、俺らの仲間になんねぇ?」
一人の男が五人くらいの男達を連れて話しかけてきた。
それが…祐介との出会いだった…
私はその男を見た瞬間、ドキッとした。
私の…一目惚れだった。
何も言わず、コクンとうなずいた。
これが全ての始まりだった…