エース
Aという文字をトランプのエースと読むからエーじゃないらしい
彼はなかなかのマイペースで、時間にルーズだが、使命感は強い
「アル!今日は俺達のナワバリ広めるんだからな!エースは絶対連れてこい!」
リーダーは待つのが嫌いな性格だ…!
せっかちでうるさいけど、しっかりしてて、兄貴肌だから、リーダーに引かれる猫も少なくは無い 。
さてと………
エースは多分……
三丁目の廃墟で魚食べてんだろうな……
僕はリーダーに軽く会釈して三丁目まで全速力で走った
家の屋根と屋根を跳び移り、最短ルートで廃墟に向かった
この飛び移り、実は相当難しく、自分の跳べる距離、滑りづらい瓦、他の猫達のナワバリを考え、跳ばなきゃいけない
失敗すれば、大怪我する
やっと着いた
屋上に向かう為に、階段を伝って走る
「エースッ!!」
屋上に着くなり、僕は叫んだ
「うん…?」
魚をもしゃもしゃ食べながら眠そうな顔している
「いやっ…うん?じゃなくてさ…!」
手を引っ張る
「またリーダー…?」
メンドクサそうな顔をする
「いいから早くしろって!」
エースと一緒にリーダーの所に向かった
「リーダー!」
息を切らし、二丁目の裏の通りに着いた
「おいエースッ!おせぇんだよっ!!」
リーダーが鰹節を噛みちぎる
「いやあ…ごめん」
続く