「待てよ!」
澤谷が笑う
「いいや待たない……私は今から逃げるのだよ……。」
滝の下口に向かって落ちる気だ…!
しかも街へ続いている
「くっ…!」
澤谷を止めようとする
「こんな事をしてて良いのかね?」
!?
「美波ちゃんは…今頃…どうなってるかな?」
狂った様にハハハハと笑う澤谷を僕は力いっぱい握り絞めた拳で顔面を殴った
ゴスッ!!と音をたて、澤谷が二?先で尻餅を着く
「ぐっ!くそ…!歯が…折れたではないか…!」
折れた歯を口から出し、滝に捨てる
「もういい!こんな研究所からはさらばだ!実験体031!お前はあの世っでっっ…!」
急に澤谷が血を吐いた
「実験……体……032…!?」
後ろでナイフを突き刺し、笑う男がいた
「ふん…、何が実験体だ…、俺は明っつう名前があんだよ。」
明…
明!?
「明っ!」
生きていた…!
よかった…!
「よぉ、ハラショー。」
明が笑う
「今まで何処にいたんだ?」
明の表情が、冷たくなった
「…………。」
「おい…?」
「……………。」
ずっとだんまりとしたまま、突っ立っている
「いやぁ……、この世界が今、秩序は乱れ、自然への恩を忘れ、俺みたいな化け物を作って…壊れていく…、そう思うとイライラしてきてな…?だから…。」
ポケットから、ビンを取り出した
「もう一度世界をやり直せば……救われる。」
おかしい
明が変だ
「それは…なんだ!?」
「WORLDSAVE、この液体一滴でアジアが滅びる。」
なんだって…!?
じゃあもし…その液体が全て……
滝に落ちたら…!
「………ゲームをしよう…。」
明が銃を取り出し、こっちに投げた
「持て。」
明の様子を伺いながら、銃を取った
「五秒数えたら撃つ………、撃った後、最後まで立ってた奴がこの世界を救える!」
全く意味がわからない
ただ
ただ
僕は
明に聞きたかった
明が狂った理由…!