奈央と出会えたから。<161>

麻呂  2008-05-31投稿
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『じゃあ、奈央ちゃんと聖人は、途中の駐車スペースで待機しててくれ。

俺が上から下へドリフト走行で下りて行き、

その駐車スペースの側のカーブでカッコ良くキメてやっから、しっかり見とけよ。

本当は一緒に乗せて体感させてやりたい所だが、仕方ない。
生憎、大沢のGT-Rは、その構造上、

ドリフト走行は、難しいしな。

ま、俺のテクなら四駆のGT-Rでのドリフトも可能だがな。』


新谷先輩は、“毛無し峠”を上る途中の、広い駐車スペースに一度車を停めた。


後続の大沢先輩が運転する、サトル君が乗ったGT-Rも続いて停まった。





新谷先輩とあたし達は車から下りた。



そして、新谷先輩は大沢先輩に事情を説明してくれ、



あたしと聖人は、大沢先輩の車に乗り込んだ。



要は、大沢先輩の車の中から、新谷先輩のドリフトを見届けようという事だった。





『本当は俺が奈央ちゃんと聖人を、

このGT-Rに乗せて新谷のケツにピッタリ付いて行けば、

バッチリ、新谷のドリフトが見れたんだろうけど、

聖人の大事な彼女の奈央ちゃんを助手席に乗せて、

高速で運転する訳にいかねぇから。

今日は、この駐車スペースで待機だ。』




大沢先輩はそう言うと、緩くパーマのかかった、



かなり明るい茶色の髪をフワッと掻き上げた。



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