「室長、これで部員は全員なのか?」
「あ、はい…そうです」
部員は俺と室長を含め、五人…。
「えっと、それじゃあ自己紹介でもしますか〜……俺は林田陸と言いま〜す。何故か部長してま〜す…よろしく〜」
「わ…私は室ちょ…じゃなくて…副部長の片原蛍です」
「夜桜沙羅なの、よろしくなの」
「俺!山田大輝(やまだたいき)仲良くしてくれよ!」
「浅川香織(あさがわかおり)だ…よろしく」
一通りの自己紹介が終わると、皆が俺を見た。
…部長が何か言わなくてわならない所なのだろう…しかし、何度考えても俺よりも室長の方がいいと思うんだけどな……。
「あ、そうそう、えーっと……実は、こんなものを作って…」
そして、ダンボールをくり抜いて作られたダンボールのポストが姿を現した。
言葉の途中で山田が遮った。
「おい部長〜何だよ
それ〜あっはは………」
山田は大笑いしながらダンボールのポストを見た
「えー、これは我が相談部の依頼届けを集めてくれると・て・も素ん晴らしい物です」
「高校生にもなってそれはないだろ〜!!
あははははは…………」
そして再び爆笑…
「……林田が作ったのか?」
浅川がポストを見ながら言った。
その答えに俺は首を振った。
「いや、俺じゃなくて」
「私が作ったのよ〜〜」
声と同時に空気が凍り付いた。皆が部室のドアに注目する。それは、うっすらと殺意のオーラをまとって現れた人物は………
「せ…先生…」
山田がさっきの大笑いと違って、恐怖の凍り付いた失笑を浮かべていた。
「皆、揃ってるわね〜…私は顧問の和田(わだ)といいま〜す…よろしくね………?」
「は、はぃ………」
「そりじゃ、先生は今から会議があるから、また今度ね、や・ま・だ・君」
そう言うと先生は去って行った…。
「や…やべぇ……」
そう、先生は山田の名前だけを呼んでいた………近いうちに説教か何かで呼び出されるな……。ほんの少し同情するぜ…」
「ねぇ、林田君、依頼届けって、部員でも出していいの?」
「ん?別にいいぞ、何か悩み事でもあるのか?夜桜」
「うん、それじゃあ早速一つ出させてもらうの」
夜桜はニヤリと笑うと俺達を引き連れて、外へと歩きだした……。