その頃、ロイ達は森の中を出口を探しながら歩いていた。
「…迷った…」
三人がそう認識してから、既に一時間以上が経過していた。
「ロバート…、何でこんな森の奥に住んでるのよ…」リリーはため息をつきながら、生い茂る草木を払って、歩いた。
「大丈夫だ…。木に登って太陽の方角を見たから、こちらで間違いないはず…」ルイスはあまり自信が無さそうに、呟いた。
「あっ!見えたぞ、ほら、出口だ!」
ロイは嬉しそうに、目の前にある木々の間から射し込む光を指差した。
「よっしゃ!」
「やったわ!」
ルイスとリリーはそう言って、駆け出して行った。
三人が森の外に出ると、そこには散乱した瓦礫が目の前に広がっていた。
「父ちゃん、母ちゃん!」ルイスはその瓦礫の山をかきわけて、父母の遺体がある場所へと向かった。
ロイとリリーもその後に続いた。
「やあ、君たち、生きていたんだね」
三人はその声に驚いてそちらを振り返ると、ロザラムが薄笑いを浮かべながら瓦礫の隙間から現れた。
「ロザラムさん!…あ、そうか、生存者の確認を行ってるんですね」
「ご名答。砦から派遣されてね。それよりも災難だったね。大丈夫だったかい?」