ラーミネーターは足下に置いた出前ケースを開いて何やら棒状の物を取り出して―\r
カシャン カシャン
組み立てられたのは―\r
ロケットランチャーだ!
『Hey、Omachi』
バシュッ
いきなり放たれたロケットは真っ直ぐ俺をめがけて飛んで来る!
間一髪、エージェント《ラー油》に突き飛ばされる形で床に伏せさせられて、ロケットは俺の頭上すれすれをすっ飛んで行き、あっけなくドアをぶち破り―\r
ドドゴオオオオン
『あーあ…』
通路の遥か向こうにそびえる建設中の高層マンションに命中し、その二0階辺りから上が完全に消え去ってしまった!
エージェント《ラー油》はすぐさま立ち膝の構えでラーミネーターに拳銃を放ち、全弾ぶち込んだが―\r
全く効き目がない。
『この戦いにアメリカが参加するとは』
空になった拳銃に弾を込めながら彼女は信じられない事を呟く。
アメリカって同盟国じゃないのか?
だが―\r
再び銃を構えた彼女にラーミネーターが襲いかかる!
がばっと広げられた両手にエージェント《ラー油》の頭ががしっと掴まれ、
『にげなさあああぁあぁあぁあぁあぁぁいぃぃ』
体と共に声まで振り回されながらもそう俺に指示を出して、彼女は壁に叩き付けられ、人形の穴が空いた!
に、逃げると言っても―\r
どうせまたこんなバケモノみたいなヤツに追い回されるだけじゃないのか?
迷う俺の視界を、だがあの巨体が容赦なく塞いだ。
伸ばされた手―\r
ラーメンをよこせと言うジェスチュアか。
仕方なく俺は寝室に戻り、リュックを持って来てヤツにそれを渡した。
ビリビリビリッ
ラーミネーターは造作なくそれを破ると、床にこぼれ落ちた俺の持ち物から即座に例のインスタントラーメンを拾って出前ケースに納めた。
だが―\r
あの巨大な両手が俺の頭も掴み上げ―\r
《You must die ―オマエハシナナケレバナラナイ》
くそっ。
やっぱりそうかよ―\r
映画みたいに俺の首をごきっと回し折るのか、頭をぐしゃっと潰すのか―\r
俺は覚悟した。
その時だ。
破れたドアの残骸の間から一つの陰が現れた。