平和な街に響いた。
静かな街に響いた。
きれいなメロディでも
激しいロックでもない
響いたのは
いびつな雑音だった
荒れ果てた街のすみに、三人の不良が一人の娘を取り囲んでいた。
「てめぇ!ノイザーの分際で口答えすんじゃねえよ!」
「抵抗しなけりゃ こんなことにはならなかったのによ!」
娘はだいぶやられたのか、抵抗もせずうずくまっている。
「もうそのへんにしないか。」
三人が振り替えると、そこには一人の見知らぬ若い男が立っていた。
「あん?なんだてめえ、この女のつれか?」
男は何も言わず薄ら笑みを浮かべている。
「なに笑ってんだコラ!ヒーローぶってるだけなら、さっさと失せな!!」
不良の一人が男に勢いよく飛び掛かった。
不良の拳は空を切った。「なっ」
軽やかに男はよけると、横から不良のこめかみに拳骨を食らわした。
「っあぁ・・・っ」
「てめえー!!」
「ふざけんじゃねえー!!」
残った二人が同時に遅いかかる。それにも動じず、男は笑いの表情を変えなかった。