私は未来(ミク)
今日も暑い…
まだ5月なのに…
そう……
まだ5月……
高校に入学してまだ1ヶ月しか経ってない……
なのに……
なのに…………
どうして…………
こんなに苦しんだろう…
貴敬…………
本当にごめんね…。
あなたのことを嫌いになったわけじゃない…。
いや……
今でも大好きだよ…
好きすぎてあなたが恋しい………。
でもね……貴敬…
この好きは……
あなたを心底から愛せる好きじゃなかった……。
今では謝ることしかできない…
本当にごめん………
私はあなたがこれから先…幸せになることしか願えない………。
今でも大好きだよ……。
貴敬……。
入学式
私は入学生代表の誓いの言葉を任された。
ずっと行きたいと思っていた学校の入試で首席をとったことは、私だけでなく家族全員が喜んでくれた。
入学式…
何度も練習した誓いの言葉はカミカミの誓いの言葉だった。
緊張した……。
極度の緊張に解放された私は、今まで目に入ってなかった、隣の席の女の子に話しかけたくてたまらなくなった。
優しそうで。明るそうな女の子だった。
「教頭先生の髪、博士みたいだね。」
話すこともなかったから、そうきりだすと、優しく「そうだね」と笑って言ってくれた。
なんてかわいい笑顔なんだろう…。
この優しくかわいい女の子が私の今の親友となる
詩央奈(シオナ)だ。
ねぇ…詩央奈?
あなたに沢山迷惑をかけちゃったね…。
本当にごめんね……。
それからと言うもの
休み時間から何まで、ずっと一緒にいるようになった。
私は他のクラスにも元同じ中の親友二人がいる。
でも…いまは詩央奈といたかった。