君はもういない。
思い出せない君の声、匂い、目と鼻の感じ。
かすれかけた日々。
君の記憶は手紙の中にだけ。
君が最期に僕に渡した手紙。
いつも僕のそばにいてくれる。
でも楽し過ぎた毎日が枯れていくようで、君の手紙から寂しさがあふれ出すよ。
君だけが自分の思いを伝えることが出来て、どうして僕はそれができないの?
どうすれば君に届くの?
やる瀬ない僕の気持ち。
吹き付ける強い風の中に、愛しい思いだけがさらわれていく。
もしも君と出会わなかったら、僕はどんなに幸せだっただろう。
そんなことを思いながら、僕は手紙を眺めているよ。今日もまた。