(はぁ…
どうしよう…)
太斗。
真面目な彼もまた『翼翔室』に呼ばれた。
それは先週のテストの事。
彼の親は大きな病院の先生で、昔から厳しかった。
だからこそ今回のテストもいい点数を取らなくてはいけなくて…そのプレッシャーから
カンニングをしてしまった…。
そのカンニングが先生にばれたのか、彼は『翼翔室』に呼ばれた。
そして担任の先生と『翼翔室』に向かう途中…
彼は勇気を出して聞いてみた。
太斗「あのう…先生…俺が呼ばれるのって、テストの事ですか?」
先生「…ん?何の事だ?それよりお前、今日塾か?」
太斗「あ、はい!」
(良かった…ばれてない…ん?じゃあ何で?)
先生「そっか…じゃあ今日は少し遅れるかもしれないが許してくれな!!」
太斗「はい…あのぉ…じゃなんで俺呼ばれたんすか?」
先生「ん?あ、ちょっと頼みたい事があってなっ」
(頼みたい事…?)
二人はその後ほとんど言葉を喋らず…
先生は『翼翔室』の前に立った。
先生「じゃあ…中で待っててくれ!もう少ししたら青木先生がお前達の所に話しに来るから。」
太斗「お前達?」
先生「あぁ、お前の他に中に一組と三組の男の子がいるんだ。」
太斗「え?名前は?」
先生「『一組の隆』と『三組の裕二』だ。知ってるか?」
太斗「いや、知らないっす…」
先生「そっか!まぁ気まずいかもしれんが、少しだからな。」
太斗「いやっすよ。俺」
先生「まぁ頼むよ!…カンニングの事黙っててやるから!(ボソッ)」
(知ってたのかよ!!)
そして中に入ると想像以上に気まずい空気が流れていたが…
初めて三人は揃った。
つづく