「あの・・・・どうしてあたしなんかを助けてくれたんですか。」
娘は男の車に乗せられ、不安を抱いた。自分を助けたふりをして、いかがわしいことをしてくる奴らに彼女は幾度も出会ってきた。だから、とてもこの男が心の底から善良な人間とは思えなかったのだ。
しかし、運転している男の横顔は、あいもかわらず、優しい表情だった。
「どうしてかなあ・・・・。仕事柄ってやつかなあ。はは。」
「仕事柄・・・・・・・?あなたは、いったい何者なんですか・・・?」
恐る恐る彼女は訪ねた。
「こりゃ、申し遅れました。俺の名前はウィル・フォード。地方警察の者です。」
彼、ウィルはにっと笑ったが娘の表情は凍り付いた。「警察・・・・・?!」
(やっぱり騙された・・・!)
彼女はパニックを起こした。
「止めて!!車を止めて!!」
手足を動かせるだけ精一杯暴れさせた。狂ったように彼女は叫び続けた。
「止めて!!止めてったらあっっ!!!!」
「ちょっと、お、落ち着いて!!!」
車が走っているにもかかわらず、彼女がドアをこじ開けようとするので、ウィルはあわててブレーキを踏んだ。
「落ち着いて!!話を聞いて!!」