振り向くと、笑顔の直希がいた。
神崎直希(かんざき なおき)。短くて軽いツンツンに立てた茶髪は蒼と違ってホントに染めたらしい。パッと見ギャル男だが、そのくせ優しくてめちゃ爽やか君だ。そして私の片思い中の人☆
「そ...そうだね!まぢで寒くなったかも」
直希と話してるうちに自分の体の中の色が今日の空のように綺麗なミズイロになっていくような感じがした。落ち着いたっていうのかな。
「まぢで!?気をつけろよ〜。虹見てたんだっけ。めちゃ消えそうだよ…?あ…消えた。」
…え!?
「ああぁ!消えちゃった...消えるとこ見んの楽しみにしてたのに...。」
ショックだぁ…!
ちょうどいいタイミングで雨が降り始める。
「ダイジョブダイジョブ!またすぐ虹でるよ」
そういって直希はあたしの頭を優しくポンポンと叩いた。
「こ-ゆ-所が……んだよ…」
あたしはこの時直希が小声でつぶやいたことを聞き逃さなかった。
心臓がドキドキしていまにも爆発しそうだ…
「……うそでしょ……!!」