リーダーの本名を言いながらサビだらけで、チョコみたいな色になったジャングルジムから出て来た猫。 彼女はアースという猫で、「無慈悲の女神、アース」と名を轟かせている。
リーダーことテイルは、自分の本名を言われ、全身の毛を逆立て威嚇しているが、内心おどおどしてる。
「アース……部下の前ではやめてくれよな…?」
リーダーは溜め息をしながら話し出した
アースは身体の毛の乱れを整える為に、舌でなめている。 アースの毛並みは凄い、ツヤツヤしていて、ご主人様の黒く光る髪よりもサラサラだ。 しかもほのかにマタタビの匂いがした。
一方リーダーは野良猫なので、毛はゴワゴワ、色は少し黄ばんでいるし、匂いもちょっと…。
こんなに見た目のギャップの差があるのに、何故二匹は知り合いなのか?
その理由は二匹には昔から縁があった。
少し昔の話しになる。
とある団地を仕切る猫の団体があったそうな。
名をALWAYS run。 今でもそうだが、当時ナワバリを仕切る団体の名前は、カタカナ+アルファベットが常識だったが……、跳ねっ返りが強く、独創性の高いALWAYS runにとっては、「くだらない、名前ぐらい自由だろうが!」とでも思ったのだろう。
じゃあそれがテイルとアースになんの関係があんの?
ALWAYS runのお頭、オーガはそれはそれは強くて、戦った敵猫達は食われるとか、爪はダイヤモンドを切り裂くとか…。
とやかくそんな噂が絶える事がないので、そこの団地を乗っ取ろうとする猫団は現れなかった。
ある日、団地に二匹の子猫が迷い込んだ。
一方は傷だらけでボロボロ、毛はグシャグシャで、ブチの模様。
もう一方は怪我の一つ無いが、気を失っていた。毛は綺麗なシマ模様だった。
オーガはその二匹の子猫を見つけしだい、子分達を呼んで二匹を引き取った。 ブチの猫は治療、シマシマの猫は安静さした。
オーガは何故か二匹の子猫を可愛がった。 子分達も可愛がった。
抗争を見学さしたり、盗んだ刺身をあげたり、喧嘩のしかたも教えた。
しかし、その二匹を煙たくする者もいた。
「何かの前兆だ。」とか、「他の組の猫かも。」とか言って二匹を嫌っていた。
そして事件は起きる。