お伽話・第一話「狼と七匹の子ヤギ4」

黄粉  2008-06-05投稿
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麻美は、ドアを思い切る閉めた。

「純太!起きて!!私達ヤギに殺されちゃう!!」

麻美は叫んだ。その時、ドアノブが下に下がり、扉が開いた。

「いやああぁっ!!」

麻美の叫び声で、純太は目を覚ました。

「どうした!?」

目覚めた純太の目の前には、恐怖に顔を歪め、床に座り込んでいる麻美と、ドレスを着て二本足で立ったヤギがいた。

まるで童話に出てくるような格好をした・・・

「麻美・・・、何、こいつ・・・」

純太は震えながら問い掛けた。

しかし、麻美は座り込んだまま金縛りになったかのように動かなかった。

「麻美危ない!!」

その時、麻美の目の前を、大きなハサミのようなモノがかすった。

麻美は鋭い叫び声をあげた。

しかし、叫びは長くは続かなかった。




純太は目を疑った。ヤギが麻美の腹の中を探っていたのだ。

「坊や・・・坊や・・・いない・・・」

ヤギは、腹の中のモノを全て外に出し、何かを探していた。

「坊や・・・いたわ・・・」

ズルッ!


「・・・・!!!」


なんと麻美の腹から、ヤギの子供らしき生き物が四体ほど出てきたのだ。

どうなっているんだ?何故腹の中からヤギが・・・・?



血に染まったたヤギが、純太の方を向いた。


あと三人・・・


確かにそう言った。


あと三匹?


「うあああああぁ!!」

純太はアパートを飛び出し、ただ走った。

純太は見ていなかったが、麻美の死体は四体の子ヤギによって、跡形もなく食いつくされたのだった。



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