帰り道、レーヴェはダルクの話した内容について考えていた。ハルの両親が行方不明だということ、その両親のおかげで今自分がこの村の村長をすることができているということなど様々なことを聞いた。関係のない自分がハルがしらない内容を知ってもいいのかとも思った。
日が暮れかけていた。
そしてレーヴェはもうちょとで家に着くというところで村の異変に気づいた。
「この村にはクレス・マーフェスの娘がいるはずだ」
王都兵、いわゆるソルジャーといわれている連中が村の中心で村人を集めて叫んでいた。人数は3人だった。その時、レーヴェの隣で声がした。
「私ならここにいるわ」
ハルだった。
「お前が奴の娘か」
3人のソルジャーのなかで一番偉そうな男がハルにきき返した。
「そうだったらどうするの?」
ハルは強気な口調で言った。
「一緒に王都に来てもらう」「どうしてあなたたちと王都にいかなければならないのかしら」
ハルのいうとおりだ。いきなり一緒に来いだなんてナンセンスだ。
「お前に拒否権はない」
そういうと後ろにいたソルジャー二人が無理やり自分達のヘリにハルを載せようとした。