「ロバート!?」
リリーはその老人を見て、目を見開いて驚いた。
「間一髪じゃったのう…。リリー様、お怪我はありませんか?」
ロバートは剣を肩に担ぎながら、三人の側に来て、心配そうな表情でリリーを見た。
「私は大丈夫よ。それより、ロバートはソードメーカーだったの?」
リリーは不思議そうな顔で、ロバートに尋ねた。
「はい。執事となる前は王宮の護衛騎士を勤めておりました」
ロバートは遠くを見つめるような表情で、答えた。
「王宮の護衛騎士!?凄いじゃないですか!」
ロイはそう言って、尊敬の眼差しでロバートを見た。「…」
「ロバート?」
ロイの言葉を聞いて沈んだ表情になったロバートに、リリーは心配そうに声を掛けた。
「…この話はよしましょう。それより、リリー様達を殺そうとした不届き者に、鉄槌を下さねばなりませぬな」
ロバートは顔を上げると、ロザラムを睨みつけた。
「くくく、なるほど、王宮の護衛騎士か…これは面白い戦いが出来そうだ」
ロザラムは愉しそうに笑うと、剣を構えた。
ロバートもそれを見て剣を構えると、身体の周りに闇のエネルギー波を漂わせ、一気にそれを解放した。
「行くぞ、老いぼれ!」
「来い、若僧!」