夕日が山村の部屋を橙に染めていた。
その橙の空間で山村は寝ていた体を起こし、ふぅっと息を吐き、携帯電話を取り出し電話をかけた。
夕日に照らされ出来た山村の影は笑っていない。
トゥルル、、トゥルル、、微かに聞こえる呼び出し音、何コールかして誰かが出た、
「“もしもし”」
少し低い青年のような声、
「あっ山村です。上手くいきましたよ」
「“マジで!?サンキュー山村ちゃん、じゃあこれからは僕に任しといて〜”」興奮したように最初の声が言った。
「はい!じゃあ後は頼みましたよ、“笹木さん”」
警察署に戻ってから佐藤は気を失い寝込んでいた
佐藤の体は冷たく、唇も青白かった。
熱を測ると23℃、さっきまでけろっとしていた者が何故いきなりここまで体温が落ちたのか?
考えられるのは、、、
すると真奈は警察署の電気を消し、懐中電灯で佐藤を照らした、、、
壁に写し出された佐藤の影は“笑っていた”
目と口に当たる部分が反り返り笑っているように見えた。
「何でこんな厄介な奴に、、、」
天孤じいが呆れたように言った。