ありがとう

黄粉  2008-06-06投稿
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今日僕は、死んだ。

僕の死体は家族に見守られていた。

皆、帰ってきてよとか、なんでこうなるの!?とか嘆いていた。

「母さん・・・」

母さんの肩に手を置いても、振り向いてはくれない。

分かってるよ・・・







昼から、火葬が行われた。僕の死体は霊救車によって運ばれた。僕は棺桶におさまって、寝ているようだった。

「起きてよ・・・」

姉が僕の頬を軽くひねった。

いつもなら僕はやり返すのに・・・

なんだか変だね。

しばらくして、火葬場に着いた。

母は泣き崩れて、姉は僕を棺桶のガラス越しに見つめていた。

僕・・・焼かれるんだね。

大丈夫。熱くなんかないよ?だって今まで体冷たくて寒かったんだ。

「母さん・・・!」

涙が零れた。












僕は四十九日後にはこの世を旅立つ。

その日まで・・・

いっぱい、いっぱいみんな、笑ってね。








END

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