今日は日曜日…。
私は一人で家にいた。
旦那は出張で最近は週に1回くらいしか顔を合わせていなかった。
夕方、携帯が鳴った。
いずみ『もしもし。』
アラタ『いずみさん、ごめん。ツアーで携帯預けたままで連絡出来なかった。』
いずみ『そうだったんだ。……………。』
私は涙が溢れて思わず泣いていた。
アラタ『…………いずみさん、泣いてる?』
いずみ『もう会えないと思ってた。』
アラタ『今から時間ある?』
いずみ『うん。』
アラタ『着いたら連絡するよ。』
アラタは慌てていた。私は涙がまだ止まらない。
これからアラタに会える。
1時間くらい経った頃、家の外から車のブレーキ音が聞こえた。それと同時に携帯が鳴った。
アラタ『着いたよ!』
いずみ『今行くね。』
私は慌てて階段をかけ降りて外に出た。そこには、4駆の黒いベンツが止まっていた。
今日はアラタの車なんだ。私は助手席にエスコートされた。
アラタ『ホントにごめんな。ツアー中に江口さんともめたんだけど、どーしても携帯返してくれなくて連絡出来なかったよ。』
いずみ『マネージャーさんともめたの?』
アラタ『いずみさんと連絡取りたくて、いずみさんの連絡先だけでいいから教えろって言ったんだけど、あいつ頑固だからどーにもならなかったわ。』
いずみ『アラタ、私…。』
アラタ『あー待って!俺から言うから。今日は俺んちだけどいい?』
ちょっと、自宅って?どうしよう…………。
いずみ『………うん。』
また目黒へやってきた。車庫はマンションの地下にあって、そのまま10階までエレベーターで上がった。
アラタは何も語らなかった………。お互いに無言………。
アラタ『どうぞ。』
いずみ『おじゃまします。』
久々のアラタの部屋の匂い。部屋はいつも綺麗にしてある。
アラタ『ワインでいい?』
いずみ『あっ、うん…。』
アラタと私は向かい合って座った。
アラタ『今日は話しがあるんだ。いずみさんもあるって言ってたけど、先に聞いてくれる?』
いずみ『うん…。』
続く…。 4話No.2