一息付いたところで、真愛さんは話題を変えた。私(倉沢雅美)との言い争った事について、良子の思いを知りたいのだ。真愛さんからの質問に良子は、今の思いを語り始めた。
実は良子、フレンドリーに入会する際に私が出した条件を内心では聞き入れてはおらず、半分は上の空で聞いていたようだった。
他人から言われるのがキライな良子らしい一面が伺える。
─私は私らしく─と言う強い信念を持っていた良子だから、それで交際が上手くゆけば良かった。
しかし実際は、今まで６人以上も男性と出会っていながら全部破局状態と言う散々な結果になってしまっている。
さすがの良子も相当、身に沁みているようで、自分を変える必要性を痛切に感じていた。「でも、出来ない」
と良子は嘆く。
「出来ない？」
「私って神経質だから、つい…相手の欠点ばかり目が行ってしまうのよね。我慢が出来ない…って言うか、相手の事情も考えないで自分の不満や要求ばかり押し付けちゃって。こんな悪い性格、早く直さなきゃって思っているんだけど…なかなかすぐには」
「性格って、そう今すぐには直らないと思うけど。時間を掛けてジックリとやらないと駄目」
「うーん、そうかもしれないけど…」
「焦らないでね。無理に自分を変えようとすれば、余計疲れるだけ。今のままでもイイと私は思ってるし。
相手の事も考えながら荻島さんらしく頑張って生きたらイイんじゃないかしら？」
「私らしく？」
「そう、あなたらしく」
この後も二人はゆっくりと語り合った。
自分を見つめ直して
終
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