その言葉は22歳のころかけられた。 今は廃線になった夜行列車で、私は故郷を捨てた。捨てたと言うよりも、“逃避した”と言うのが正しいかもしれない。制作への行き詰まりと、何となく冷めてしまった家族から私は逃避した。だから、この町を選んだ大層な理由など無く、しいて言うと、都会の駅のホームで買った地図を眺め、海がある事を発見し、そこが中学生当時に聞いた地名だったことくらいだろうか。
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