星の蒼さは 71

金太郎  2008-06-09投稿
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「何陰気くさい顔してるの〜?」

葬式のようになっていたあおかぜの待機室に場違いな声が響く。

長い金髪を後ろで束ね、青い瞳に赤渕メガネをかけた少女が立っていた。

「人、死ぬなんてよくある事。ステーツ(合衆国)の西では日常茶飯事だもん」

かなり流暢な日本語を喋る彼女は白衣を纏っている。どうやらここ『エリア0』の研究員らしい。

「失礼だが、君は?」

少しイラついた様子で荒木副長が尋ねる。

「『エリア0』研究員の、レベッカ・アンダーソンです!よろしくネ!」

皆の顔が強ばる。

アンダーソン!?

そう。あおかぜが探し求めるWW研究の究極の一冊、[エシュトノート]の著者はアンダーソン博士。
皆、顔を見合せて凍っている。
このキャピルン娘がか?

「まさか君が[エシュトノート]の著者、アンダーソン博士なのか!?」 

ハルに肩を掴まれ、迫られた彼女は一瞬頬を赤らめ、その後目を丸くし、続いて笑いだした。

「アハッ違うわ。私はレベッカ。YOU達が探してるノートの著者は勿論エシュト、エシュト・アンダーソン。私のパパよ」

それはそれで驚いた。
じゃあ、そのエシュト博士はどこに?
そもそもエシュトノートとは?

後から後から疑問が湧いてきて頭がおかしくなりそうだった。
すると、

「パパならいないわ。ノートもまだ公式に譲渡が認められてないから……もう少し時間がかかりそう」

と返ってきて、

「ええと、そろそろ放してくれないかな?」

肩に乗るハルの手を軽く触り、恥ずかしそうに顔を赤らめた。



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