お伽話・第一話「狼と七匹の子ヤギ6」

黄粉  2008-06-10投稿
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純太は朦朧とする意識の中、誰かに呼ばれた気がして目を覚ました。

「・・・・んん?」

そこには自分の名前を何度も呼ぶ麻美の弟の朝陽がいた。

「あ?朝陽・・・?」

目を覚ました純太に気付き、朝陽は

「あ!純太!大丈夫か?お前ここに倒れてたんだぞ?」

といって、純太の肩を揺さぶった。

「え・・・?倒れてた?」

今まで自分が何をしていたのか忘れていた純太は、記憶をたどりはじめた。

確か、ヤギから逃げてて・・・それで逃げ切れたと思ってたら携帯にヤギが写ってて、後ろ向いたらヤギがいたんだ。

それで俺は意識を失って・・・・。

「そうだ!朝陽、ヤギは!?」

いきなり意味不明な事を叫んだ純太に朝陽はぽかんとしていた。

「ヤギって、ヤギ肉の事?それなら今日の夜俺食べたけど?」

「違う!なんか・・・こう!そうだ。ドレスきた人間くらいの高さのヤギ知らないか?」

だが、朝陽は「なにそれ?」としか答えなかった。

まあとりあえず俺の近くにヤギがいないのは確かだ。

だが、何故ヤギは俺達を狙うのか?

ヤギは俺に「あと三人」とか言ってたな。つまりあと三人の人間が殺されるということか?

それになんで麻美の腹の中からヤギが出てきたんだ?

それまで俺達は何をしていた?

ヤギ肉を食べたくらいだし・・・ん?

ヤギ肉?

麻美はヤギ肉を食べたからヤギに殺された?

じゃあヤギ肉を食べた人間は殺されるのか?

じゃあ俺も?










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