純太は朦朧とする意識の中、誰かに呼ばれた気がして目を覚ました。
「・・・・んん?」
そこには自分の名前を何度も呼ぶ麻美の弟の朝陽がいた。
「あ?朝陽・・・?」
目を覚ました純太に気付き、朝陽は
「あ!純太!大丈夫か?お前ここに倒れてたんだぞ?」
といって、純太の肩を揺さぶった。
「え・・・?倒れてた?」
今まで自分が何をしていたのか忘れていた純太は、記憶をたどりはじめた。
確か、ヤギから逃げてて・・・それで逃げ切れたと思ってたら携帯にヤギが写ってて、後ろ向いたらヤギがいたんだ。
それで俺は意識を失って・・・・。
「そうだ!朝陽、ヤギは!?」
いきなり意味不明な事を叫んだ純太に朝陽はぽかんとしていた。
「ヤギって、ヤギ肉の事?それなら今日の夜俺食べたけど?」
「違う!なんか・・・こう!そうだ。ドレスきた人間くらいの高さのヤギ知らないか?」
だが、朝陽は「なにそれ?」としか答えなかった。
まあとりあえず俺の近くにヤギがいないのは確かだ。
だが、何故ヤギは俺達を狙うのか?
ヤギは俺に「あと三人」とか言ってたな。つまりあと三人の人間が殺されるということか?
それになんで麻美の腹の中からヤギが出てきたんだ?
それまで俺達は何をしていた?
ヤギ肉を食べたくらいだし・・・ん?
ヤギ肉?
麻美はヤギ肉を食べたからヤギに殺された?
じゃあヤギ肉を食べた人間は殺されるのか?
じゃあ俺も?