月の葉書2部5−6

速見  2008-06-12投稿
閲覧数[421] 良い投票[0] 悪い投票[0]

光と闇の力がぶつかり空間が崩れた

はぁはぁ

一人の息切れの声が小さく反響する。砂煙が晴れて段々立っている者の姿が見えてきた

ナラビ)フライ

立っていたのはナラビだった!
フライは、ナラビの前で仰向けに倒れていた

フライ)なんで君に勝てなかった?

フライは、歯を食いしばってナラビに尋ねる。ナラビは哀む様にフライを見ると

ナラビ)君が哀しい人だと思ったから
フライ)哀しいだと?
ナラビ)君は確かに強い。けど、それは君の憎しみによる強さなんだ。だから僕はさっき“消滅”の力ではなく心の光を使ったんだ

ナラビは、右手からその光を出すと、それは温くて心が満たされる感じがした

フライ)なっ

フライは動揺する

ナラビ)君の力の源は余りにも哀し過ぎる。その源を断ち切ったから君の力は無いも等しい。その証拠に君は僕に対する憎しみは無いはずだよ

フライ)だっだがそれでも僕は君の一族を殺したんだ。僕に対する憎しみはどうした!?僕を殺さないのか?殺したくないのか?

フライは動揺したまま聞くとナラビは

ナラビ)それでも、君が可哀相だったからね

ナラビは澄んだ瞳で答える

ナラビ)それに僕は最初から君を憎めなかったんだ。何故だろうね?

ナラビは澄んだ瞳で軽く笑う

ナラビ)きっと僕の光の力がそうさせてると思うよ

それを聞くとフライは黙ってしまった

しばらく黙ると、フライは口を開いた

フライ)僕は3歳の頃、目の前で光の一族に親が殺されるのを見た

フライが話すとナラビは動揺した

ナラビ)なんで僕の一族が?

フライ)分らない。僕は親に命懸けで助けてられた

フライはそこまで言うと涙で何も言えなかった。ナラビはその話を聞いて決心した

ナラビ)この戦いが終わったら僕を闇の一族の所へ連れて行って謝らせてくれないかな?

フライ)なんだって?(こいつは、馬鹿なのか?一族の仇の僕と一緒に?

そう思ったフライだが……

フライ)もし君らが勝ったらね

フライは笑って答えた時だった。上から物音が聞えた

フライ)危ない!

フライが上を見て叫ぶ。ナラビは釣られて上を見ると、先程の瓦礫の残りがナラビに落下してきたのだ

ナラビ)(避け切れない

その瞬間、瓦礫の下敷きになった

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 速見 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ