わ、私の名前は佐野美乃里(さの みのり)。ある男子に恋をしているごく普通の女子高生。その彼は、いつも遅刻したり、授業後半になれば寝てしまってたり(体育の時もさっぱり…)する人…でも、とても優しい人だと私は思う。 あれは、高二の終わり頃…、午後からは、雨が降ると天気予報で言っていたのに、うっかり傘を忘れてしまって、玄関で外を眺めていたその時、不意に肩を叩かれ、「女の子が、体を冷やしたらダメだよ」と、言って傘を私に差し出して、彼、天宮輝夜君は、鞄を傘がわりに、雨の降りしきる中、走り去っていった。
その時だった、彼が物凄く格好良く見えて…私は、恋をした。