ダメツマ、ダメオット。6

椿家まんもす  2008-06-13投稿
閲覧数[402] 良い投票[0] 悪い投票[0]

ボクは子供の頃から、自然と一体になって一人で生きていきたいという思いがあった。

日が昇ったら目を覚まし、腹が減れば、自分で栽培した野菜や飼育した家畜を食べ、日が暮れたら眠る。

世の中のしがらみから解放され、自分の命のためだけに生活し、生き、死ぬ。

社会人となって、人間関係や様々なストレスを溜め込みながら、お金を稼ぐために毎日を生きる生活に比べ、なんて幸福な人生を送れることか!

夢の実現のため、高校は農業専門校の畜産科を選び、栽培、家畜飼育等の知識と経験を積んだ。

実行する前に大学に進学、親元から離れ下宿することで、バレずに準備を進めた。バイトで資金も稼いだ。


2003年1月27日。

カノジョを呼び、理解されないことを承知で自分の考えを伝える。





カノジョは泣いていた。





泣きながら、それがボクの夢なら止められないと言った。





本当にダメなのは、ボクの方だった。




夜中、大きなリュックを背負って部屋を出る。

アパートの下まで降りて、カノジョと抱き合った。

「絶対に、忘れない。」

手が離れ、ボクは歩き出した。

涙が止まらなかった。つづく



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 椿家まんもす 」さんの小説

もっと見る

エッセイの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ