死体放棄少女

黄粉  2008-06-13投稿
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最近橋本麻里奈の学校にくる回数が減っている。

教師家に訪問してみるが、鍵がかかっていていないのだ。

そんな橋本の欠席を、橋本の一番の親友の佐藤優子は悲しんでいた。

電話をかけるが、声には元気がなく、欝状態のようなのだという。

「麻里奈来ないね〜」

いつしかそれが優子の口癖になっていた。

そして友達に「また言っている〜」と言われるのだ。

電話で、文化祭までには来てね!と言ったりして励ましたのだが、一向に来る様子はなかった。

そして、

「今日も来なかった〜」

と言って優子はうなだれた。





そんな日々が過ぎ、ついに文化祭の日がきてしまった。

結局橋本は来ず、出店をする人数は一人少なくなる事になった。

「麻里奈大丈夫かなぁ・・・」

優子は午後から店をやる事になっているので、出店の間を一人ぶらぶらと歩いていた。

出店の音楽や、人の声の騒音で、自分の声すら聞こえなくなっていた。

「うるさい・・・」

携帯を耳にくっつけ、片耳を塞いだ状態で電話をしていた。

プルルルルル・・・

「そこの人」

プルルルルル・・・

「?」

すぐ後ろで声がした。

今そこの人て誰か呼んだ?

優子は振り返った。


すぐ後ろに、ボサボサ頭の見知らぬ若い男が出店をやっていた。呼んだのはこの男らしい。


優子はしばらくその男を見ていた。

そして、浮かんできたのが

どう見てもこの人この学校の人じゃない。

「あの〜、あなたこの学校の生徒じゃないですよね?」

聞くが

「そうですけど?」

そう言い、平然と座っている。

優子はマナー違反は嫌いだった。

「だから、文化祭には生徒以外の人は来ちゃダメなの!」

怒鳴ると、男は「へぇ」と言い、すぐ人気のない校舎裏に消えてしまった。

「まったく・・・」


そう言うと、優子は電話を再開した。

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