Mind Adventure 26

籬 規那  2008-06-14投稿
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足が、腕が、空をさ迷い、急速に力を失ってゆく。

自らの行く末が、自然と脳裏に浮かんだ。


それは、不安でも、安堵でもない、予想。







――私、死ぬ、のか―\r



突然背中に衝撃を受け、気が付くと腕から解放され、地面に投げ出されていた。


ぼやける頭をそのままに、なんとか周りを見回すと、横たわる男に尋問をしているディルの姿が見えた。


「大丈夫かい?」

どうやら、ジンが助けてくれたようだ。



首や、掴まれた腕の骨が悲鳴を上げているのを無視して体を起こす。

「メシアは!?一緒じゃないの?」


ジンの問いにはっとする。

「ディルとジンは……一緒にされていたの…?」



―武器を取られ、自然の力によって起こる、魔法が使い難いこの収容所の中で、警戒すべきは、メシアや妖需よりも、ディルのはずだ。


場所など関係無しで魔法を放てるフィレーネはともかく、メシアを引き離す理由が、全く解らない。





無いはずだ。

私達がヒトであったなら。



「――二人を捜そう」

嫌に落ち着いた、冷え切った感じのジンの声が、不安を一層増幅させた。











「被験体hbe-27。お前はどうしてそう聞き分けがないんだ?」


ぼんやりとした薄明かりの中、いかにも陰鬱そうな声が響く。

「…………」

被実験体と呼ばれた少女は、ひどく虚ろな目をして、簡易ベッドに身を横たえている。



聞き慣れた、金属同士がぶつかり合う、耳障りな音。

床に置かれたケージの中からは、ごそごそと何かがうごめいているのが分かる。



だけれど目を閉じると、私は飛べる。


いろいろな所へ行って、沢山の人に会って………

私は、いつでもあなたの側へ飛んでいける。



だから、もう大丈夫だよ。




点滴の音が規則的に鼓膜を撫で、瞼が次第に重くなっていく。


永の闇が続くように思えるほどに、急激なけだるさが全身を包み。





いつの間にか、全てが途絶えた

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