「いや、それは…限界まで魔力を使ってしまったからで…」
「限界までって…一体どんな魔法を使ったのかね？」「…エア･ショック」
ロイは情けない顔をして、呟いた。
「エア･ショック…？初歩の攻撃魔法ではないか。それだけで魔力が限界に達するなど、聞いた事も無いぞ」
男性騎士は呆れたように、言った。
「あの…ロイは本当にソードメーカーなんです。信じて下さい」
リリーは隣で突っ伏しているロイを気の毒そうに見つめながら、男性騎士に向かって懇願した。
「ふむ…まあ、よかろう。それよりも、君達がどうしてここに侵入して来たかだがね…」
男性騎士はぽりぽりと頭を掻きいて、侵入理由が簡単に書かれたメモを読み返した。
「ロザラムという騎士に襲われていた所を、かつて王宮護衛騎士だったロバートという老人に助けられ、彼の使ったターンによって訳が分からないままここに飛ばされた…」
「そう、そうです！正にその通りです！」
ルイスは手を叩いて、大きく頷いた。
「…何が何だかさっぱり分からん…」
男性騎士は一つ大きくため息をついて、じろりと三人を睨んだ。
「これをそっくりそのまま信じろ、というのは明らかに無理がある。そうは思わないかね？」
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