…ここは…
辺り一面闇の世界何も見えない、何も…聞こえない…民は?城は?私は生きてるの?…崩れた天井から現れた巨大な身体、深紅の眼…あれが全ての天敵…邪竜……ん?微かに光りが…誰かの声が聞こえる…
「…あなたは…誰?」
暗闇が眩しい閃光に切り裂かれた…
「よお…大丈夫か?」
笑顔で語りかけてきた少年が眼の前にいる…頭が重い…身体も…
「こ…こは?」
何とか語りかけける。
「ここは俺ん家。あんた川上から流れてきたんだぜ」…どういう事?私は城で襲われて…
「っ…こうしちゃいら…」私は跳び起きた。体が痛い。でもそんなのにかまってられない…
「うあっ立つなバカ!」
少年は突然後ろを向き罵声をあびせる。
「バカッて…」
「いいから前かくせぇ!」…前?
「〜〜〜っ!」
私の体温が急激に沸騰するはだか!思考が止まる魔力が集束し爆発する。
「無礼者〜〜!」
「ぐぎゃあああああ」
[ずがぁぁぁぁぁん!]
少年は小屋の屋根を突き破り天高く舞い上がり…落ちた…
「ハァハァ」
私はシーツを身にまとい肩で息をする
「もうすっかりいいようだね竜のお嬢ちゃん」
ニコニコしながら今あけた穴から老婆が顔を出した。