大人になるのが、変わるということなら。
大人になんて、なりたくなかった……。
時間よ、どうか。
私の大切な友達を連れて行かないで……。
夢を語り合ったあの日々は、砕けた硝子の破片となって、深くこの胸に突き刺さる。
変わってしまったのはあなた?
それとも、私の方なのかな……。
地味でよかったよ。
ささいな喜びで構わなかった。
ただ、ただずっと、あのうっとりと夢見た時間に、戻りたかっただけ。
だけど、あなたは。
この上なく素敵で、賢かったあなたは。
くだらない周りの目に惑わされて、くだらないプライドをまとったね。
服が、化粧が。
一体なんだっていうの?
その下のあなたは。
それらの下に埋もれたあなたは、本当に昔のあなたなの?
無理しなくていいのに。
私は、あなたのままが好きだった。
だけど、あなたは。
大好きなあなたは――。
……私はそっちへは行けないよ。
ごめんね。
私はやっぱり、私を捨てられないから。
でも、道は別れても、いつかまた会えるよね?
もう前みたいな夢は語れないけど、子供じみた想像も終わりにするけど。
今度会った時は、お互い、笑顔で。
昔とは違った、少しだけ現実の色を帯びた、素敵な夢の話をしよう……。