死体放棄少女・二

黄粉  2008-06-14投稿
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優子は電話を再開しようとして携帯を耳にあてた。

プルルルルル・・・

「優子〜今からカラオケ大会やるって〜!行こ〜!」

人込みの中から友達が呼んだ。

少し迷ったが、優子は呼び出し中の電話を切った。

仕方ないなぁ・・・

そう言い、携帯を閉じた。














「やっぱり出ない・・・」

再び橋本に電話をしていた優子は呟いた。

カラオケ大会が終わり、一人で携帯に耳を押し付けていた。

夕方になり、校舎の窓は眩しいくらい光っていた。

「麻里奈・・・悩みがあったら私に言いなよ?」

それだけ留守番電話のメッセージに残した。

「さてと・・・帰るかな。」

友達達はまだビンゴ大会やらやるらしいが、優子は断って橋本の家に行くことにした。

優子は橋本の家を知らなかったが、教師から貰った地図を見て橋本の家まで向かう事にした。




橋本の自宅はアパートだった。

「ボロボロじゃん・・・ここに麻里奈一人暮ししてるんだよね・・・」

優子はアパートの入口をくぐろうとした。

「痛い!」

いきなり腕に、おもいきり引っ張られるような痛みが走った。

何者かに腕を引っ張られたらしい。

「行かない方がいいよ?」

低い声が話しかける

誰・・・?

痛い腕をさすりながら優子は振り向くと、そこには文化祭の時にいた男がいた。

相変わらず頭はボサボサだった。

「何なんですか?離してください。」

男はにっこり笑って繰り返した。

「行かない方がいいよ?」

優子は怖くなった。

変な人・・・ストーカー?

「離してください!」

思いきり男の腕を振り払い、アパートの中へと走った。

悲鳴にも似た声を吐き出しながら、橋本の部屋を捜し出し、部屋の中へと逃げ込んだ。




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