僕は君の未来を永遠に。<32>

麻呂  2008-06-14投稿
閲覧数[397] 良い投票[0] 悪い投票[0]

何時もの電車とは、札幌から小樽へ向かう電車の事。



札幌駅から乗り込んで、三十分もすると、電車の窓から見える風景は、見渡す限りの日本海。



何故だろう。今日のその色は、何時もに増して、濃いブルーに見えた。





彼女は、もう仕事が終わったのだろうか―\r



そうだ―\r



僕は思い出した―\r



彼女に僕のアドレスを教えるべく、空メールをしなければならないと言う事を。


勿論、空メールなんてするつもりは毛頭ない。



ちゃんとメッセージと携番も書いて送るつもりだ。



こういう時の僕は、やたらと慎重になる。



昨日のオーディションの時の様に、人前で何かをするという事に関しては、



割りかし平気でやって退け、てんで無頓着なくせに、



たかがメールをするというだけで、こんなに考え込んでしまうのは、一体何故だろう。



彼女が僕の初恋の相手で、しかもその彼女も僕が初恋の相手であり――



もしかしたら僕は、心の何処かで、これからの僕達の関係について、密かに淡い期待を抱いているのかもしれない。



例え彼女に付き合っている人がいると聞いていても。



僕は―\r



十七年という歳月に――



それらの様々な感情を簡単には伝える事が出来ずに、



何処か躊躇してしまう程、心に閉塞感を持たされてしまったのだろうか――



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ