…竜の民…ガイアートの神と呼ばれる光の竜の末裔…天空に浮かぶ大地【アーク】に住む地上の守り人……
「で、竜のお嬢ちゃんが下界まで来て生き倒れとは、何があったんだい?」
老婆は服を差し出し語りかけてきた。
「…わからないんです」
「わからない?」
老婆は不思議そうに聞き返して来た。
そう、わからない。服を着ながら自分の中で襲撃をうけた時の事を整理し語る。「…アークが突然襲撃をうけました…相手は邪竜と…とジンエイ…私の教育係の者が言っていました。」
「ジンエイ!じゃアンタ…タツキ様かえ?」
私は驚いた。老婆はジンエイを…私を知っていた。
「貴女は…なぜ?」
私は驚きを隠せない。
「私のダンナ、黄虎って言うんだがジンエイとは若い頃からの親友でね。アンタがお生まれになった時アークに呼ばれたんだよ」
老婆は目を細めそして何かを悟ったように私を抱きしめて言葉を続けた。
「アークが攻められアンタが此処にいるということはアークは墜ちた…」
「そっ…」
「でも、まだ希望はある」私の声を遮るように老婆は続ける…
「希望はタツキ様…アンタだ」
老婆の言葉に驚き思考が混乱する。
其時吹飛んだ少年は
「…泣」