その日の昼休み。
私はキーホルダーの首と胴体を糸で縫っていた。
教室では、いつも通り男子が遊んでいて、教壇に直子とゆかりがこっちを睨んでいた。
突然、私の頭に牛乳瓶の蓋が入った袋が当たった。
ルイ「痛っ………」
その瞬間
男子「ぷっ。キッッモ」
ナオコ「クスクス。痛っ………だって」
ユカリ「クスクス、分かっちゃうよぉー!!」
男子「マジ気持ち悪ー」
もう…いいんだ…。
私は誰にも心を開かないと決めた。
人を信じないと決めた。
直子たちだけでなく、クラスからもいじめを受けるようになった。
放課後の呼び出し。
目の前で破られる教科書。
ライターで焼けていく腕。
痛みに叫び、泣けば泣く程やつらは笑う。
傷だらけだったが、家族には言えない。
家族は私どころではない。
父の会社がとうとう倒産した。
借金を抱えてしまった父は、どこかへ逃げ出してしまったのだ。
もう涙も枯れ果て、ただ単調に動き続ける心臓を憎んだ。
もう……死んでしまおう。
何度もそう思った。
でも死ねなかった。
私は死ぬこともできない、弱い人間だったから…。