季節は過ぎ、もう真冬の1月。
いつの間にか本が友達となっていて、私はよく図書館へ行ったり教室で本を読んだりしていた。
不思議と本を読んでいると、私という人間が存在しない気持ちになった。
ここんとこ続いていた雪。
しかし今日は、珍しく晴れた。
夕日が雪に反射して、雪がオレンジ色に染まる。
私は1人で帰っていると、目の前に何人かの男子がふざけながら帰っていた。
友達の暖かさを忘れ切ってしまった私には、彼らは何が楽しくて笑っているか、分からない。
でも運命は突然やってくる…。
それも、思わぬところに落ちてくる。
1人の男子が、ガムを口に入れた。
私の学校は校則が厳しく、学校帰り等にお菓子を食べることは禁止されている。
私は、「勇者もいるもんだ」と思っていた。
ガムを食べいた彼が、こっちを振り返ってきた。
ガム男「見た??」
ルイ「………。」
ガム男「秘密にしといてね。」
ルイ「……はい…。」
ガム男、違うクラス。
その時はそれしか知らないことだった。
とにかく、目だけは付けられたくない。
そう、思っていた。