翌日、この日は何も無かった。
直子が欠席していたからだ。
誰かの横を通ると舌打ちされ続けたが、それ以外は何もなく下校した。
帰り道、
私の前にはガム男とその友達がいた。
ガム男は振り返って
ガム男「昨日のこと、言ってないよね?」
と問いかけた。
ルイ「言ってないよ。」
ガム男「なら良かった。これからも言わないでね。」
ルイ「……うん。」
何であの人は、そんなに言われることを気にするんだろう…?
ささやかな疑問だった。
バレても先生にそこまで怒られることはないのに…。
その翌日も、そのまた翌日も、私が帰る時必ず前にいた彼。
しばらくして、クラスの男子に
男子「お前ってさぁ、幸原のこと好きだろ。」と言われた。
ルイ「……幸原って……誰?」
男子「とぼけんなよ。幸原だよ。幸原暁義(ユキハラ アキヨシ)」
名前を聞いてもピンと来なかった。
しかしその日の帰り。
またガム男とその友達が私の前にいた。
男子「なぁ、暁義ー。」
ガム男「ん?」
男子「お前さぁ〜〜で〜〜が…」
私はそこで分かった。
ガム男が幸原暁義君だ。
..続く..