死体放棄少女・三

黄粉  2008-06-15投稿
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優子は、橋本の部屋に飛び込んだ。

「麻里奈、いる!?外に変な人が・・・!」

・・・・!!

臭い、生臭い!

まるで生肉が腐ったような・・・


「麻里奈ぁ・・・?」

涙目になりながら、優子は部屋の奥へと向かった。

「・・・・!!」

そこには先週から行方不明になっていた、田口裕也の死体があった。

「あ、あぁ!」

吐き気を堪えながら優子は無我夢中で外へ走った。

「いやああぁっ!」

バンッ!

優子は、膝を抱えてうずくまってしまった。

「だから行かない方がよかったでしょ?」

上からまた同じ声がした。

「うぅ・・・一体なんなの?」

相手は年上にも関わらず、悲しさと恐ろしさに敬語をつかうことを忘れていた。

「優子ちゃん、だよね?」

優子はビクッとなった。

なんで私の名前を知っているの?

なんで麻里奈の部屋に入るなって警告できるの・・・?

嫌だ・・・まさか、麻里奈はこの人に・・・田口先輩も、殺されたんだ・・・!

「まぁ、落ち着こ。あ、ファミレスでもいこっか。」

男は優子の腕を上から引っ張った。

「やだ・・・」

優子は男の腕を振り払おうとしたが、

「橋本麻里奈サンは生きているよ?」

そう言われ、力が抜けてしまった。

「じゃ、行こう!」

グイッ

「待って!私学校帰りなんですけど!?」

優子の言葉にも関わらず、男はズカズカと優子を引きながら、ファミレスへと向かっていった。









ファミレスの中は、ガヤガヤと騒がしい。

「あの・・・どうして麻里奈のことを知っているんですか?」

不安せうに問う優子に対して、男はオレンジジュースをストローで混ぜながら答えた。

「昔からの付き合いってやつだよ。」

それだけ答えてオレンジジュースを飲んだ。

「・・・」

ズルルルル・・・

優子は、バックから、橋本と撮ったプリクラが貼ってある手帳を取り出した。

「あなたが言っている橋本麻里奈は、この子ですか?」

男はプリクラを見ずに、「うん」と答えた。

優子は、ソファーにもたれながら、橋本が今どこにいるのか考えていた。



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