前世占い [下]

東山桃子  2008-06-15投稿
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日曜の朝。
とても早くに目が覚めた。
(いくらなんでも早すぎ。でも早朝散歩のつもりで 出かけちゃおうかな。)

地図を片手に歩きだす。
[再会屋]の前を通ると、廃業の貼り紙。(なんとなく 淋しい気がした。)

メインストリートから 少し裏に入ると、急に空気が変わった気がした。
(まだ朝の6時半だから 清々しいのかな)

鳥居が見えて来た。
古そうな神社。
[夢乃原神社]ここだ!

私は作法に従って 鳥居をくぐった。
すると、一人の神主さんが(白い着物に水色の袴)参道を 竹ぼうきで掃いていた。

「おはようございます。」と 私はすれ違いざまに言った。
『おはようございます。』と 神主さんが顔を上げた。
2人は同時に「あっ!」と 目を丸くした。

【前世占い】の彼だった。

「先日はありがとうございました。おもしろかったです!」
『それは良かったなぁ。実は 初対面の方に、余計な事言ったかなって 少し後悔してたんです。』
「全然!友達にも話題になって、楽しかったです。」
それから 私の前世の話をした。
『やっぱり遊びですね。
僕も 平安末期の宮大工って でたんですョ。』
(私は信じたい)


つい長い立ち話になった。

「私、柊 美里って言います。よろしく!」

彼は とても不思議そうな顔をした。
『うちは 夢乃原神社と言いますけど、地元では(柊さん)って呼ばれてます。
ほら、柊だらけでしょう!』と たくさん植えてある 低木を指差した。
私は
「これって 前世の因縁でしょうか?」
2人は 爆笑した。

『来週の日曜日、社殿でチャリティコンサートがあるんです。もし良かったら ぜひ 来て下さい。』


あの朝、占いでラッキーな事というのは、[再会屋]で彼に会えた事なのだろうか?
この人とは 長い付き合いになりそうな、そんな予感がする・・・・・

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