…ねぇ、聞いてる?…
「あっ、ゴメン」
突然の声に少し動揺した
「もしかして…起こし…ちゃった?」
「えっ?」
周りを見回すといつもと変わらない自分の部屋…
「隆也…?」
私…どうして…自分の部屋にいるんだっけ…
「アキ…」
暖かい体温を布ごしに感じる……
「何も思いだすなよ…大丈夫…大丈夫だから」
抱きしめる彼の体は少し震えている……
なんで…震えてるの?
思いだすんじゃない…
彼はそればかり繰り返す…
「タカヤん…苦しいよ…」
そう小声で言った後…そっと目をつむる…
しばらくして……
体からすぅっと体温が消えていく感じがした
離してくれたのかな…
目を開けた…
タカヤンはいなかった…着ていた服と…靴…が無造作に目の前にある…