消える私

シゲキング  2006-05-18投稿
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…ねぇ、聞いてる?…
「あっ、ゴメン」
突然の声に少し動揺した

「もしかして…起こし…ちゃった?」

「えっ?」
周りを見回すといつもと変わらない自分の部屋…

「隆也…?」

私…どうして…自分の部屋にいるんだっけ…
「アキ…」

暖かい体温を布ごしに感じる……

「何も思いだすなよ…大丈夫…大丈夫だから」

抱きしめる彼の体は少し震えている……

なんで…震えてるの?
思いだすんじゃない…
彼はそればかり繰り返す…

「タカヤん…苦しいよ…」

そう小声で言った後…そっと目をつむる…

しばらくして……

体からすぅっと体温が消えていく感じがした
離してくれたのかな…
目を開けた…

タカヤンはいなかった…着ていた服と…靴…が無造作に目の前にある…

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