キッドいわく、Tetraの1番偉いジジイとか言っている猫に話しを聞きに行くらしい。
「キッド…、あの長老に会って何聞いてるんだ?」 キッドは「Tetraの事だよ!」と繰り返すばかり。
ただ、「チツジョ」という言葉が出てきた
「百聞は一見にしかず、行ってみるか?」 エースが言った
「だね、キッドは何言ってるかわからないし。」 僕はゲームの電源を切り、きっちりとゲームを元の所に戻した。
「キッド、どこでジジイは話してくれるんだ?」 キッドが一丁目に指をさす 「あっちのね、確か……、穴が開いてて暗い所!」
暗い所……っ!?
たくさんあるだろう! そんな場所!
「とにかく…!ついて来てよ!」 キッドが手招きをした
「行くか!」 僕は立ち上がる。
キッドの覚束ない危なっかしい屋根跳び移りを見守りながら、一丁目に向かった。
裏路地を抜け、コンビニを通りすぎ、マンホールに入った。
暗い所
マンホールの中……?
しかしキッドはまだまだ先に進む。 どんどん下に向かい、遂に見慣れない所にたどり着く。
目の前には穴があった
丸い穴が
キッドは穴の中に入った 「なあ…エース…。」
「子供は置いて行けないだろ?」
僕達もキッドに続いた
穴に入るとそこはジメジメしていた下水道とは掛け離れた場所。
現実世界とは違うもう一つの世界。 草原が広がっている。
切り株の上に誰かが座っていた。
杖をついて、ダボダボの仁平を着ている猫。 ネイルだ。
「キッドと…、アル、エースか…。」 急に喋り出した。
「ジジイっ!今日は何を話してくれるの?」
「今日は……、そうじゃの…、白の魔神様の話をしようか。」 ネイルがそう言うと、キッドが切り株まで近付き、僕達に手招きをする。
「おぬしらは白の魔神様を知っとるかの?」
ネイルは問う
「いいや…、俺達はTetraの常識を知らないからな…。」
エースは答えた
「うむ…、Tetraに行く前には知っとくべき常識だからな…、では話そうか。」
「ジジイ!どんぐらい長い!?」
ネイルは喉を鳴らす
「う〜む…。ざっと4時間ぐらいじゃな。」
僕は口を開けた 「4時間……。日が暮れるね…。」
「では手短にはなそう。」
続く