6月は職場の裏にあるお宅の庭で薔薇が咲き誇る季節である。
毎朝掃除の時に二階のトイレから薔薇の庭を見ながらそろそろかと思っていたがついに今日やってきた。
薔薇の庭と聞くとなんか優雅だけど実際は広い敷地に無造作に植えられ勝手に育ったような何故かヤサグレた印象の庭だ。
美しく咲いて花の盛りを過ぎた頃、ご近所中に薔薇が配られる。
っていうか押し付けられるのだ。
朝、開店前の店の前にポリバケツに入れられた大量の薔薇が置き去りにされるのだ。
事故現場か?開店祝いか?とツッコミ入れたら大急ぎで薔薇を処理しなければならない。
昼前に裏のお宅のお婆ちゃんがバケツ回収にやってくるからだ。
薔薇の茎は野性的な太い枝のように育ちトゲは大きく固い……しかも花は散りかけならまだいいほうで既に花の無いものや花を切って余った茎なんかが大量にまざっているのだ。 手は傷だらけ血まみれだし蜘蛛の巣が付いた花の残骸にはもれなく黒々ツブツブのアブラムシ………。
毎年のこととはいえ親切なのか嫌がらせなのか未だに解らない。
虫嫌いの私も半泣きで作業しなければならない苦行が6月には必ずある。
あぁ怖い……来年もあるんだろうなぁ……