♪♪♪♪♪♪〜〜♪
突然鳴り出した僕のブルーの携帯――
System Of A Downの
“Prison Song”
しかも最大音量。
う、うるさいっっ!!
誰だよ‥‥今、何時だろ???
僕は寝ぼけていたので、電話の主が誰なのかも確認しなかった。
『はひ‥もひもひ‥‥。』
!!!!!!!!!
『エ、エリカちゃん???』
なんと電話の主は、エリカちゃんだった。
携帯で時間を確認すると、まだPM10:30。
そうだ‥あまりにも疲れていた僕は、エリカちゃんにメールをした後、ついつい眠ってしまっていたんだ。
《ごめん。寝てた?!ちょっと微妙な時間だったから、明日にしようかと迷ったんだけど‥‥。》
電話の向こうの彼女の申し訳なさそうな声。
『い、いや。そんなコトないよ!!嬉しい!!
僕、さっきメールに携番書いたじゃん?!でもまさか電話をかけてきてくれるなんて思ってもいなかったから。
所でエリカちゃん。今日は一日辛かったでしょ?!
フ・ツ・カ・ヨ・イ!!』
電話の向こうの相手がエリカちゃんだと分かると、僕は寝ぼけていた頭が一瞬にして覚めた。
それどころか冗談まで言えてしまう程、テンションが上がっていた。
《うん。辛かった。もう‥一日中気持ち悪くて‥‥。
未來にはホント、介抱して頂きまして、ありがとうございました。
朝は慌ただしくて、きちんとお礼を言う余裕がなかったから。》
彼女の礼儀正しさに、こちらの方が気恥ずかしくなってしまった。
彼女は少女の様な自由奔放さと、大人の女性としての落ち着いた雰囲気を合わせ持った不思議な魅力のあるヒトだと思う。
『いやだなぁ、エリカちゃん。そんなかしこまらないでよ。
十七年ぶりに再会したとはいえ、幼なじみみたいなものでしょ?!僕達。』
《幼なじみ?!うん。そうだよね。あたしと未來は幼なじみ。》
携帯の向こう側から聞こえる彼女の声が凄く近くて、耳元がくすぐったかった。